三富朽葉は明治22年長崎県の壱岐で生まれ、八歳のときに家族ともども東京に移り住んだ。そのとき、相続人のいなかった伯父の三富家の養子となった。早稲田大学の英文科に入り、在学時代から詩社を結び、活発に詩作、日本にフランス流の象徴詩をもたらそう…
第九章 自己の意味 (最終的に自己とはなにを意味するのか。) いまに至るまであげてきた我々の事実は、実体のないものであることが証明された。事物はばらばらになり、項を見いだすことのできない関係に砕かれてしまった。そして、恐らく我々にはある疑いが…
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