2021-11-07から1日間の記事一覧

一言一話 97

飯沢匡刺青小説集 (1972年) Amazon 黒曜石のように墨一色の個体 かつて彼の局部が、まるで石炭か黒曜石のように光沢のある墨一色の個体であるのを見たのだったが、今度は彼の体全体がそれになっているのだった。 彼は、今までの色とりどりの図柄の文様の上か…

ケネス・バーク『宗教の修辞学』 2

1 一般的語とロゴスとしての語について 我々は一般的な「語」(低次)と、大文字の「語」(ロゴス、賢者の一言)とのアナロジーに関心をもっている。「一般的な語」はまず、自然主義的な、経験に基づいた指示物をもっている。しかし、類推によってより高次…

ブラッドリー『仮象と実在』 192

[善とはなにか。] 我々は一般的に、欲望を満足させるものとして善について語る。それは我々が是認し、満足の情をもって休らうことができる。あるいは、お望みなら、価値と同じものとして語ることもできる。それはまた、我々が真理に見いだす要素も含まれて…