2021-12-02から1日間の記事一覧

よろずの紙反故 11

赤星に千惠藏の顔見つけたり 本郷で赤本の束を買いにけり 赤間石の隙間に沿った墓参り イレーヌの赤みを別ける整体師 赤味噌で息継ぎをする画廊主

一言一話 115

桑原武夫『文学とはなにか』 ...文学と科学 ファーブルのように自然界の中で直接の観察をすることは、今日むしろ稀れであって(そういう意味で『昆虫記』は文学である)、多くの科学者はラボラトリで目盛りを読んでいるのだ。現実の社会、ないし自然に存在す…

ケネス・バーク『宗教の修辞学』 21

X.モニカの巻 第九巻は、アウグスティヌスが聖霊について考えることで完成すると言える。自分の息子は母の前に死んだのだったが、アウグスティヌスは母親の死というテーマでこの巻を終えるような叙述にしている。母親との神秘的な会話が詳細に描かれる章は、…

ブラッドリー『仮象と実在』 211

[宗教的真理に関する実際的な問題。] しかし、もしそうなら、実践の結果はどうなるだろうか。それに答えるのは私の仕事ではない。そうした疑問に固執することは有害な偏見にとどまることになろう。形而上学者の仕事は究極的な真理を探究することであり、ど…