2021-12-09から1日間の記事一覧

よろずの紙反故 17

明晩のあきれ果てたる君の尻 骨を煮る浮きでる灰汁の曼荼羅よ 純粋な悪を求めて庭園へ キスしても残るは君の悪意だけ トパーズの青さはエマの悪縁か

一言一話 121

五味康祐 音楽巡礼(新潮文庫) 作者:五味 康祐 新潮社 Amazon フランク《ヴァイオリン・ソナタ》 レコード鑑賞家とナマの音 「色はあるが光はない」とセザンヌは言った。画家にとって、光は存在しない。あるのは色だけだと。光を浴びて面がどういう色を出し…

ケネス・バーク「純粋な」文学の三人の達人【『反対陳述』から』 1

Ⅰ 五十年ほど書簡を書き続けた後で、フローベルが初めてバルザックの手紙を見たとき、嫌悪感を抱いたのも当然だった。この人物は――少なくともフローベルの考え方によれば――この世界で最も栄誉ある職業に従事していたのだが、私信には芸術のことなどまったく…

ブラッドリー『仮象と実在』 217

[それぞれが残りを含む] 我々は異なった経験の領域を概観し、それぞれが不完全であることを見いだした。我々は確かに絶対がそれらのうちのひとつであるとはいえない。他方において、それはまたその残余でもないので、不十分で不整合なものと見ることができ…