2021-12-16から1日間の記事一覧

よろずの紙反故 24

仏像を上げ下げしたる京の春 上潮にカモメが落ちる茅ヶ崎へ 揚げ代にのしをつけたる王の侍者 カフェロマン揚げ出し豆腐の蜜の味 テルミンが忍者屋敷を開け閉てし

一言一話 128

食いしん坊〈1〉 (朝日文庫) 作者:小島 政二郎 朝日新聞社 Amazon 原稿を書く速さ遅さ 芥川さんが一ト晩苦吟してやっと二枚、鈴木三重吉の「桑の実」の中に、梅雨になる頃の描写があるが、ホンの五六行の文章を書くのに、書いては消し、書いては消し、同じとこ…

ケネス・バーク「特殊詩学、一般言語」 2

II これで次の段階、特殊な詩学から一般的言語への問題に移る準備ができた。そこへの最短の近道は、少々離れてみることである。第一に、「動物性」と我々が「象徴性」と呼ぶもの(他にいい名称がないので)との相違に注目しよう。なにかを言うこと、なにか…

ブラッドリー『仮象と実在』 224

[現象と絶対] 我々はこの章で主として、否定に関わるものを扱ってきた。あらゆるものは現象であり、いかなる現象も、あるいはその組みあわせも実在と等しくはない。これはなかばは真実であるが、それ自体としては危険な間違いである。我々はそれに対応する…