2022-04-12から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈4

有明の主水に酒屋つくらせて 荷兮 この第三の句、古註が様々で定説がない。主水は明石主水という酒屋だというのがそのひとつ。従うべきではない。『大鏡』に「明石主水は京都六條本願寺役人にて酒屋にあらず」とある。主水と呼ばれる人物がいたとしても、寺…

トマス・ド・クインシー『スタイル』15

こうした惨事は、可能性としては全文明を脅かすものであり、このあり得べき危険はギリシャをして、その唯一の敵であるペルシャの安定さえ関心事とさせたのであるが──ギリシャと最北、西東にある未知の敵との間にある最大の抵抗勢力であるから──それはギリシ…

ブラッドリー『論理学』40

§50.私がある男の所に行き、そのふるまいについて質問すると、彼は「私は別のやり方ではなく、このようにするべきなのだ」と答えたとすると、私は彼から事実についていくつかの知識を得たことになる。しかしその事実とは創案された立場でも、仮定された行…