2022-04-13から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈5

頭の露をふるふ赤馬 重五 意味は明らかで解釈はいらない。逞しく太いもの運ぶ馬が、勢いよく頭を振る様子で、「露をふるふ」という言葉が生動して、情景が見えるようにである。運ぶのは芝か米か。『大鏡』によって、前句を都移しと見て、『萬葉集』第十九の…

トマス・ド・クインシー『スタイル』16

<散文>は我々みなによく知られたものである。靴屋や洋服屋等々の「勘定書」は散文で書かれている。我々の悲しみや喜びの多くは散文で伝えられ、(ヴァレンタインデーでもなければ)韻文が使われることなど滅多にない。であるから、オリンピュアの揺りかご…

ブラッドリー『論理学』41

§52.この実在の性質は判断においては明らかにされておらず、仮言判断では隠された潜在的なものである。結果からそこに存在することを知るが、それがなんであるかを言うことはできない。更なる探求を経なければ、要素もその間の関係も非常に異なった別の判…