2022-04-16から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈8

我庵は鶯に宿かすあたりにて 野水 一句の意味は明らかで、解釈には及ばず、その人の風流で奥ゆかしい人であることを感じるべきである。古詩に「老僧半間雲半間」というものがある。それは山住まいの人が雲と家をともにするということで、この句は鶯に家を貸…

トマス・ド・クインシー『スタイル』19

第三部 読者は疑い始めたに違いない。「どれだけ人を待たせておくのか」と。二十世紀の間のことを書くつもりであるのに、まだ六十年しか済んでいない。「<どちらに>我々は向かっているのだろうか。どの対象に向かっているのか」どちらがどの程度緊急な問題…

ブラッドリー『論理学』44

§58.このことから、我々はある推測を引き出せる。もし単称判断がより事実に近く、それを去ることで、実際に実在から遠ざかっているにしても、少なくとも、科学ではそうしたことは感じられない。我々を力づけてくれるもう一つの推測がある。通常の生活にお…