2022-04-19から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈11

消えぬ卒塔婆にすご/\と泣く 荷兮 消えぬ卒塔婆を、卒塔婆の文字がいまだに消えないと解釈するのは、何丸があげた一書の解で、現実として読んでいる。鶯笠が解して、失った子供の面影が眼に残って、死んだのも本当とは思われず、もしかしたら夢ではないか…

トマス・ド・クインシー『スタイル』22

しかしながら、そのままではなく余裕をもって受け取れば、パテルクスが最初に気づいた現象、人間の才能の輩出のされ方は彼が目撃した人間の歴史において十分に確立されていると我々は認めなければならない。というのも、政治的変化にキケロの死が重なり雄弁…

ブラッドリー『論理学』47

§64.ごく一般的で、破滅的とも言える迷信は、分析は対象になんの変化ももたらさず、識別がなされるときには、分割可能な存在が扱われているのだと仮定することにある。ある事実の全体があるとき、そのある部分が残りとは関わりなく存在できると結論するの…