2022-04-25から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈17

となりさかしき町に下り居る 重五 「となりさかしき」を嶮しとしたのは曲齋であり、心得顔して卑しく騒いでいたというのは鶯笠である。高野、吉野などの奥の院へ願があって通う人が、その下の町にいて高山の寂寞とした夕暮れを見ている様子といい、「隣嶮し…

トマス・ド・クインシー『スタイル』28

そう、やはりギリシャ文学は我々が定めた点、アレキサンダーの時代に終わるのである。ギリシャの土壌、ギリシャの根から心を圧倒するような力、哲学大系、創造的エネルギーの範例となるようなものは再び現われることはなかった。想像力は死に絶え、火山は燃…

ブラッドリー『論理学』53

§76.単称判断の唯一の希望は完全な断念にある。仮言的であっても、抽象的判断は自身よりも真であることを認めねばならない。判断のクラスの最も低い位置で満足しなければならない。その要素で実在を性質づけることをやめ、一般的な形容のつながりを認める…