2022-05-16から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈34

我が祈あけがたの星孕むべく 荷兮 前句をこのしろの供物をいただいて、天に子供を願うさまと見立て、よき一子を得たと喜ぶ様である、と古註では解釈してある。『鶯笠』は、神前に捧げて祈るのではなく、頭に戴き、潔斎断食して台上に立ちつくし、天に祈る様…

トマス・ド・クインシー『自叙伝』4

私の父の蔵書には英語で書かれたもの以外の本がないだけでなく、ひげ文字文学に関するものもまったくなかった。実際、それを楽しむために勉強や労力を必要とするような種類のものはまったくなかったのである。この点について言えば、学者や研究者にとっては…

ブラッドリー『論理学』70

§9.手渡されたのは赤<ではなく>、白だった。白<あるいは>赤というものが与えられるわけではない。資格のための条件というのは(この例を考える限り)、まず「白」で、次に「白がなければ赤」「白なしの赤」である。<これらの>条件が両立可能であると…