2022-05-23から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈41

鶉ふけれと車引きけり 荷兮 鶉の啼くのをふけるという。細川幽齋に、いい鶉の値を問うと五十両だといわれたので「立寄りて聞けば鶉のねも高しさても欲にはふけるもの哉」という狂歌がある。ふけるの語の意味、これによって知るべきである。車引きけりは、搢…

トマス・ド・クインシー『自叙伝』11

ここでしばらく私の精神に多大な影響を残した出来事の想起を中断して、『阿片吸引者』で言及したこと、つまり、他の条件はみな同じであるのに、なぜ死は、少なくとも風景や季節になにがしかの影響を受けるとすれば、一年の他の季節よりも夏にいっそう深く哀…

ブラッドリー『論理学』77

§9.推論の本性を論じるときに、我々は原理の意味をもっと十分見ることになろう。ここでの結論は、あらゆる判断は、それが真であるならば、出来事の流れによって変更されることのない究極的な実在のなんらかの性質を主張している、ということである。ここは…