2022-05-27から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈45

奥のきさらぎを只なきになく 野水 田螺をとって生活しているものが二月の寒さに泣く、という旧解のまずさは言うまでもない。また、実方中将奥州に下ったところ、五月になって民家が菖蒲を葺かないので、尋ねてみると、この地には菖蒲はないという。実方浅香…

トマス・ド・クインシー『自叙伝』15

私が書いたことの次の日、医者の一団が脳と病気の特殊な性質を調査するために来た。というのも、症状の幾つかの点で困惑させられるほどの異常があったからである。余所者たちが引き上げて一時間後、私は再び部屋に忍んでいった。しかし、扉はいまは閉ざされ…

ブラッドリー『論理学』81

§17.選言判断の性格を思い起こすと、そこには以下のように限定される事実があったことを思いだすことになろう。その性質は(i)ある領域のなかにあり、(ii)その領域には相反したものがあるので、実在はそのどちらかとして決定されねばならない。この…