2022-06-06から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈55

禿いくらの春ぞかはゆき 野水 禿はかぶろともかむろともいい、本来は髪がない意味で、髪振(振り乱した髪)という意味は間違っているだろう。髪を束ねないのを禿というのは、あるべきものがなく、冠もかぶっていないことからいうのだろう。『源平盛衰記』巻…

トマス・ド・クインシー『自叙伝』25

しかしながら、この仮説は、他の無数にある説と同様、子供部屋の聴衆の持続的な共感を得られないとなると、続けられなかった。ある時には、彼は関心を哲学に向けたこともあるし、物理学のある分野の講義を毎晩我々に読み上げたこともある。このことは、我々…

ブラッドリー『論理学』91

§5.ある語が何も意味せず、何もあらわさないことも可能なことは容易に証明できよう。多分、このことに触れておくのは有益かもしれない。あらゆる命題が「実在」であることは既に見た(42頁)。語による命題は、「Sの意味はPである」と書けば、<明らか…