ケネス・バーク

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 91

.. 追記 『恒久性と変化』と『歴史への姿勢』という一組の著作に関して締めくくりの言葉を述べるにあたり、理論的な注釈が物語へと変わることが幾度かあった。今度のこともそうである。ライマン教授は私の質問に対して答えを送ってくれたが、この後記で彼の…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 90

.. 部分的な撤回を伴った追加 私の初期の著作『反対陳述』に収められたエッセイ「心理学と形式」の脚注を論じようと思うが、それは『恒久性と変化』及び『歴史への姿勢』の後記で芸術的個人的とテクノロジー的道具的との区別に関してとった私の姿勢を強く伝…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 89

事態を極端にすることでプロットを動機づける劇中の登場人物については、私は多くのことを語ってきた。『歴史への姿勢』の「中枢用語の辞書」でなされたと<私が>考えていることを示せば充分だろう。私はそれを「受容の喜劇的枠組み」を体現した人間関係の…

ケネス・・バーク『歴史への姿勢』 88

『歴史への姿勢』の喜劇的枠組みに関する企図の多くは、そうした安売り、または叩き売りとさえ言えるもののなかでくつろぐことになろう。しかしまた、不調和な遠近法、「想像的なものの官僚化」を巡って「放射される」この本の「中枢語」とともに、企図にあ…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 87

手術される病院で、「ヘローネがまず最初に印象づけられたのは、自分の置かれた状況の極端な<物質性>だった」。それはプライバシーの侵害から始まっており、「内蔵が拡げられ、忌まわしい管が鼻から胃へと差し込まれ、彼はそれを逃れようとする(「このもっ…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 86

言葉を欠いた自然に叙述をつけ加えることによって、じきに、超自然の物語、占星術の、天文学の、錬金術の、化学の、地質学の、生物学の、地理学の、歴史の、神話の、儀式の、イデオロギーの、日常業務等々の物語が生じ、ゴシップとニュースとが始まった(あ…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 85

こうしたことすべてに絡み合っているのは、『歴史への姿勢』で「想像的なものの官僚化」と呼ばれた物語である。この用語は多様な混乱した発展に適用され、そこにはごく特殊で個人的な姿勢も含まれる。しかし、常に繰り返される物語は、テクノロジーの道具的…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 84

. 後記 『歴史への姿勢』:懐古的眺望 『反対陳述』のヘルメス版で加えた「批評教程」のなかで、『恒久性と変化』の姉妹編であるこの『歴史への姿勢』は、正確に言うと続編ではなく、ある点で、その早い時期における修正だと注釈した。『恒久性と変化』はも…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 83

VII どのように締めくくりをつけたらいいだろうか。動機に関する「職務の」理論が純粋に「個人的な」領域を含んでいるように(その根は子孫をも巻き込んだ<自然な>勤めであり、生まれてから数年間の動物としての人間に刻みつけられる「家族内での」経験…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 82

VI こうした七つの職務、或いは「義務」は、動機づけの観点を含んではいるが、行為へ導く<動機>よりもむしろ<行為>についての名称である。人は、そう「すべき」だと感じるが故に統治することもあり得る。或いは、部下に自分の意志を押しつけたいという…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 82

VI こうした七つの職務、或いは「義務」は、動機づけの観点を含んではいるが、行為へ導く<動機>よりもむしろ<行為>についての名称である。人は、そう「すべき」だと感じるが故に統治することもあり得る。或いは、部下に自分の意志を押しつけたいという…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 81

V 動機の、或はむしろ「義務」の、「職務」に関する七つの包括的な範疇についてはこう言える。つまり、それはすべての領域を蔽うことを意図しているが、相互に排除しあうわけではない。個々の行為は、分割そのものが論理的に背反しあうわけではないのと同じ…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 80

IV テクノロジーの観点から「世界」を考えるとき、次の問題はこうだった。<この観点から>動機づけを最も最適に範疇わけし、分類するにはどうしたらいいか。テクノロジーにある顕著な要素が我々に手がかりを与えてくれる。<使用>という要素である。例え…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 79

III ここで、ある挿話をつけ加えておこう。まず第一に注目すべきは、「道具使用」や「道具製作」から「テクノロジー」へと移行することで、我々は「普遍」や「一般」から「世界」へと移行した。(つまり、我々は動機についての「巨視的な」観点と<特殊な…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 78

II 第一に、<人間としての種的な>要素があるのは明らかである。この世界会議がどのようなものであろうと、それは言葉を使用する(シンボルを使用する)動物の集まりであり、様々な場所から集ってはいるが、他の動物と最も決定的に区別される属性、つまり…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 77

. 補遺 七つの職務 I 動機づけの理論の可能性と、それに応じた動機を定義し、分類するやり方には終わりがない。わが英雄はなんらかの特殊な宗教、人種、国民性、社会的階級、歴史的伝統、職業、パーソナリティ・タイプ、腺病質、老練な競争者によってもたら…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 76

第二版の後書き 恐らく、この本が最初に出版されたときの著者の観点と現在の観点との間の主要な姿勢の変化には政治的対称の問題が関わっている。政治的対称は、現在ではかつてほど魅力があるものとは思われていない。事実、政治体制のなかでの相互関係の緩さ…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 75

. 結論 最後に、主要な点を簡単にまとめておこう。 名前には行為と命令とが含まれている。(ピアジェが示したところによれば、子供は木片を取り上げて、「これはボードだ」と言う。次に「さあ、海を渡るぞ」と言いながら木片を動かす。時には、名前と命令とが…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 74

... 超越 Transcendence ある観点から見れば、AとBは「対立」している。「超越」によって意味されているのは、対立がなくなるような別の観点の採用である。現在のところ、それに最も近いものとして可能なのは、言葉によるものである。実際のところは、そう…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 73

... 権威シンボル Symbols of Authority 正直なところ曖昧な語である。明確な境界をもって方向を指し示しているというより、なんらかの方向をもって指し示すこと自体をあらわそうとしている。支配者、法廷、議会、法律、教育者、警察、およびこうしたものと…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 72

... シンボルの合併 Symbolic Mergers 超越には隠れた「斟酌」が存在する――しかし、この要因が我々の言葉の背後にあって認めることが困難である。例えば、「すべては物質的だ」と言う男は、考えられる限りの保留を付しているかもしれない。また、「すべては…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 71

... シンボルの盗みあい Stealing Back and Forth of Symbols 王の神聖な権利は、最初神権政治の権威と戦う世俗的な利害のために援用された。「民衆」の世俗的な利害を代表するために、教会の権威ではなく、神が王を任命するのだと主張される。後に、教会が…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 70

... 世俗的祈り――或はその拡張:世俗的祈りによる性格構築 Secular Prayer--or,extended:Character-building by Secular Prayer 世俗的祈りは、それを排除する工夫を提案できると考える者によって、通常「言葉の魔術」と呼ばれている。常に印象づけられるの…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 69

... 党派 Sect 「窮地に追い込まれる」危険に直面し、新たな集団を形成することでそれに対抗しようする者たち。その共同性によって、新たで確かな作戦基盤が与えられ、敵対者から権威シンボルとして認められているものを盗むために出撃する。党派は、排除と…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 68

... 救済の装置 Salvation Device 時折り、ある種の救済の装置が累積された効率性とともに組織化されることがある。宗教が権威をもった時期には、聖職者の形を取る傾向にはあるが、この装置は聖職者の魔術に限定されるものではない。天気についての話がそう…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 67

... 再生の儀式 Rituals of Rebirth 極端に強調点が変わるような時期には特に、芸術にはアイデンティティの変化を描くものが見いだされるだろう。しかしながら、より安定した時代には、個人の成熟はある種の「更年期」としてあらわれるので、同じ過程は芸術…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 66

... 世界の再所有 Repossess the World 想像的なものが官僚化されるに従い、官僚体制そのものがそれ自身の新たな問題をもたらす。かくして、現代のビジネスの官僚的な複雑さは、複雑なファイルシステムを必要とする。すべての才能をこうした付帯的な副産物(…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 65

... 悪の問題 Problem of Evil あらゆる政策は、より少ない悪を目指す政策である。かくして、宗教的なアウグスティヌスと無神論のジェファーソンとは、一人が政府を人間の失墜に対する罰と説明し、一人が必要な悪と呼ぶことで結びつく。我々の用語で言えば、…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 64

... 不調和による遠近法 Perspective by Incongruity 言葉による「原子破壊」で状況を測る方法。つまり、言葉は慣習によってあるカテゴリーに属している――合理的な企図によってそれをねじ曲げ、隠喩的にそれを異なったカテゴリーに適用する。 実業界によって…

ケネス・バーク『歴史への姿勢』 63

... ご都合主義 Opportunism 十分な合理性も、現実的なものにするための洗練された方法論もない決疑論的拡張。壁際に立たされることでもある。「世俗的祈り」の低次の形式は、ある党派がその党の原理を「売り渡す」ことを余儀なくされ、できるだけ早く合理化…