断片蒐集 32 奥野信太郎

 

 逆にいえば、シノプシスとしての短編が考えられる。

唐代の短編小説

いろいろの文学史に、唐代になって短編小説ができたと書いてありますが、これはちょっとわたくし、異議があるので、実は短編小説というのはヨーロッパ文学の方でいう言葉でありまして、十九世紀以後になって、いわゆる短編小説という近代文学のひとつのジャンルがあらわれた。それとは違って唐代の小説は、形は短いが発展させれば長篇小説になるような、いいかえますと、長篇小説の筋書きというのが唐代の小説として実現したわけです。いうならば映画のシノプシスみたいなものです。