ブラッドリー『仮象と実在』 27

      (その結果との関係は理解不可能である。)

 

 この点において、出口の扉が開いたと空想することができるかもしれない。差異が我々の混乱の源なら、原因と結果を同一化してしまえばどうだろうか。世界の同一の本質が、どの瞬間においても変わることなく自らを守り、多数性に優越している、恐らくこれが解決だろう。恐らく。しかし、もしそうなら、因果関係をどうすればいいだろうか。私に理解できる限りにおいては、それは差異から成り、時間の系列にある。単なる同一性は、どれほど優れているにしても、断固として原因と結果の関係ではない。とる道は二つに一つで、もう一度、多数性と統一性とを理解可能なように調和させ、手に負えなくなるまで進むか。あるいは、我々と同じ結論に自分自身で到達するかである。そのときには、原因と結果が非合理的な仮象であり、実在ではあり得ないことを認めることになる。