一言一話 5

 

 

天保四年から八年にかけての飢饉のときのこと

天保四年の春、尊徳は茄子を食つて、それが秋の味であることを感じあて、ただちに異変を未然に察し、農民に誡してあらかじめ稗を作らせておき、やがて本物の秋が害悪を孕んで立ちはだかつたとき、よくひとびとの難を救つてゐる。

 

 

幸田露伴は「二宮尊徳」という子供向けの伝記を書いているが、同じエピソードはのっていなかった。

武蔵野の蔓に実となる大飢饉