一言一話 11

 

 

実質的感動 ポー

 <<実質的感動>>に対するエドガー・ポーの詩法の忠実さは徹底したものであって、それはどんな短い短篇にも現われている。それゆえ三頁にわたる「影」を読みなおしても、二〇頁にわたる「リジーア」を読みなおしても、読者は同じような普遍的な重さの印象を受けるであろう。

 実質的感動の重さは、多くのものがそれを求めているが、得られていない。なぜなら、「リアルなもの」を重さと混同しているから。