一話一言 44
対話
〈対話〉――世紀から世紀にわたって、同クラスの作家同士の間で交わされるあの二重唱ほど、フランス文学に固有で、かつ貴重なものはない。パスカルとモンテーニュ、ルソーとモリエール、ユゴーとヴォルテール、ヴァレリーとデカルト、モンテーニュとジッド。フランス文学の永続性を、そしてまた、まさしく、その震え、その変動を、それによってこの文学が体系の硬直化を免れていることを、それによってその最も遠い過去が現在の知性に接触することによって更新していることを、これ以上証明しているものはなにもない。大古典作家が永遠であるのは、彼らがいまなお変容しているからである。大河は大理石よりも持続するのだ。
他の国にもないことはないが、トーマス・マンとアドルノ、中上健次と柄谷行人、ポパーとローレンツとゴンブリッチ、などいかにも駒が足りません。