一言一話 66

 

格言

 格言はディスクールから切り取られた命題であるというだけではない。この命題そのものの内部においても、また、もっと微妙な不連続性が支配している。正常な文、<話す>文は常に、その諸部分を互いに融合させ、思考の流れをなめらかにする傾向をもつ。要するにそれは見たところ非組織的な生成過程にしたがって進展する。格言はその正反対である。格言は個別的なブロックで合成された一つの全体的ブロックである。その骨組み――骨は堅いものである――は目に見えるという以上に見世物的である。格言の構造全体はまさに構造が突発的であるかぎり目につく。

要するに格言はディスクールから浮かび上がるものであり、効果的に心を打つこともあるが、凡俗さに堕することもある。