一言一話 75

 

批評の読み方

 <報告された>快楽から、どのようにして快楽を汲み取るのか(夢の話、パーティの話の退屈さ)。どのようにして批評を読むのか。唯一の手段はこうだ。私は、今、第二段階の読者なのだから、位置を移さなければならない。批評の快楽の聞き手になる代りにーー楽しみ損うのは確実だからーーそれの覗き手になることができる。こっそり他人の快楽を観察するのだ。私は倒錯する。すると、注釈はテクストにみえ、フィクションにみえ、ひびの入った皮膜にみえてくる。作家の倒錯(彼の快楽は<機能を持たない>)、批評家の、その読者の、二重、三重の倒錯。以下、無限。

覗きは状況によって無限の多様性がある。