一言一話 102

 

動物の象と象形文字の象

 

象を、鄭玄は文に書くこと、書かれた成文法のようにとっている。しかし、『説文』(九下)によると象は動物の象のことであるが、段玉裁も注意しているように、象は像であり、「かたどる」というのが動詞としての原義である。生きている象は見られず絵にした象しか見られないので、像した動物というので象といったというのは、あまりうまく考えすぎたのだが、ともかく象は絵に画いて表わすこと、象形文字の象である。

 

ボルヘスの短編のようである。