2021-11-24 一言一話 109 小説 フランツ・カフカ (1955年) 作者:マックス・ブロート Amazon 『審判』の朗読、笑い カフカが自分で朗読するとき、このユーモアは特にはっきりと現われた。たとえば、彼が「審判」の第一章を聞かせてくれたときなど、われわれ友人たちは腹をかかえて笑った物だ。そして彼自身もあまり笑ったので、しばらくのあいだ先を読みつづけることができなかった。――第一章の恐ろしいほどの真剣さを考えてみた場合、これは意外だと思うかもしれない。だが事実そうだったのだ。 この笑いは理解できる気がする。深刻めかして読んでいることを想像する方が難しい。