一言一話 150

ノーマン・ブラウン『エロスとタナトス』から。

 

スピノザフロイト

フロイトとは異なるスピノザが洞察しえなかったことは「多くのことに適合する肉体」を得る努力とは、幼児の肉体の復元であるということである。スピノザの「多くのことに適合する肉体」とは、フロイトの「幼児期の性欲の多形態に倒錯した肉体」と構成的には同一であり、あらゆる器官の行動によって喜びを得る肉体である。・・・・・・スピノザの<<神の知性による愛>>はフロイトの<<子供の多形態の倒錯>>と同じものである。

あらゆる器官を快楽の道具とすることで、簡単といえば簡単であり、難しいといえばこれ以上難しいことはない。