一言一話 155

 

反復と物語

 『想起、反復、徹底操作』および『快感原則の彼岸』の議論を例証として、我々は、反復が想起の一種であり、そのつながりが不明瞭で失われている物語を再組織化する一つの方法であることを見る。もし反復が死の欲動、正しい終結を見出すことについて語るのならば、反復において演じられるのは、必然的に終わりに向かう欲動のベクトルだということになる。すなわち、一度正しいプロットを決定すれば、プロットは終結するのである。プロットそのものが徹底操作である。

物語を語るための技巧に思われたプロットが本質的なものとなる。