文芸評論

ディオニュソス的鷗外ーー中野重治『鷗外その側面』

鴎外―その側面 (ちくま学芸文庫) 作者:中野 重治 メディア: 文庫 第二次世界大戦のあいだから、ほぼ20年にわたり、機会に応じ断続的に書き継がれたものであるために、首尾一貫した論考ではない。晩年の3編の史伝(厳密にいえば、『渋江抽斎』と『北条霞亭…

言葉の軽重と固有名--イタロ・カルヴィーノ『カルヴィーノの文学講義』

カルヴィーノの文学講義―新たな千年紀のための六つのメモ 作者:イタロ カルヴィーノ 出版社/メーカー: 朝日新聞社 発売日: 1999/04 メディア: 単行本 イタロ・カルヴィーノが言うには(『カルヴィーノの文学講義』)、文学の歴史は、言葉を軽くしようとする…

ビターも大事ーー花田清輝『大衆のエネルギー』(1957年) 

花田清輝著作集 II―大衆のエネルギー二つの世界 作者: 花田清輝 出版社/メーカー: 未来社 発売日: 1963/12/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 道化の宿命―シェイクスピアの文学 (1959年) 作者: 中橋一夫 出版社/メーカー: 研究社 発売日: 1959…

目から鱗が落ちる虚子論――仁平勝『虚子の読み方』

虚子の読み方 作者: 仁平勝 出版社/メーカー: 沖積舎 発売日: 2010/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 虚子についてはごく表面的な知識しかもっていない。だが、明治以降の俳人のなかでは好感をもっていて、「流れ行く大根の葉の早さか…

猛々しさがなくてーーテリー・イーグルトン『詩をどう読むか』

詩をどう読むか 作者: テリー・イーグルトン,川本皓嗣 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/07/13 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (15件) を見る 曖昧の七つの型〈上〉 (岩波文庫) 作者: ウイリアム・エンプソン,岩崎宗…

喜劇というメビウスの輪ーー幸田露伴『滑稽談』

露伴全集〈第15巻〉史伝 (1978年) 作者: 幸田露伴 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1978/12 メディア: ? この商品を含むブログ (2件) を見る 単なる言葉の連なりがどこかで詩や小説になり、或はどこかで笑いや涙を、つまりは感動を伴った余剰の意味を生み…

毒虫の正体――カフカ『変身』(1915年)

変身 (新潮文庫) 作者: フランツ・カフカ,Franz Kafka,高橋義孝 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1952/07/28 メディア: 文庫 購入: 18人 クリック: 359回 この商品を含むブログ (358件) を見る ヨーロッパ文学講義 作者: ウラジーミルナボコフ,野島秀勝 出…

もう一篇の幻詩――ロジェ・カイヨワ『詩法』

詩法 作者: ロジェカイヨワ,佐藤東洋麿 出版社/メーカー: 国文社 発売日: 1972 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 幻詩狩り (創元SF文庫) 作者: 川又千秋 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2012/10/25 メディア: Kindle版 こ…