思想

一言一話 83

新編正名と狂言―古代中国知識人の言語世界 作者:大室 幹雄 せりか書房 Amazon 荘子の言語観 仮りに荀子の言語観を、世界ー観念ーことば、と図式化するならば、これとの対照において荘子のそれは、世界ーイメージーことバー観念、とでも表示できるであろう。…

一言一話 82

新編正名と狂言―古代中国知識人の言語世界 作者:大室 幹雄 せりか書房 Amazon 道教 選ばれた瞬間が回想、追憶であること 道家、たとえば荘子にあって事情はまったく異なる。経験的日常的次元において世界はその無定形・不安定・了解不能性・不気味さ等々にお…

一言一話 81

Supposing the Subject Verso Amazon エチエンヌ・バリバールSubjection and Subjectivation 「主体」という概念が意味するもの 決定的な歴史的瞬間、「ブルジョア革命」の転回点において、哲学的言語の本質的な構造の内部に、我々は二つのまったく異なった…

一言一話 78

テクストの快楽 作者:ロラン・バルト みすず書房 Amazon 二つのレアリスム 今、読んだばかりの古いテクスト(スタンダールの伝える聖職者の生活の一挿話)に命名された食物が登場する。牛乳、タルティーヌ、シャンティイのクリーム・チーズ、バールのジャム…

一言一話 77

テクストの快楽 作者:ロラン・バルト みすず書房 Amazon 新しいことと悦楽 「新しいこと」はモードではない。批評全体の基礎となる価値だ。世界に対するわれわれの評価は、もはや、少なくとも直接的には、ニーチェにおけるように、<高貴と卑賤>の対立には…

一言一話 76

テクストの快楽 作者:ロラン・バルト みすず書房 Amazon 退屈と悦楽 どうにもしようがない。退屈は単純ではない。(作品を、テクストを前にした時の)退屈からは、いらいらしても、放り出しても、抜け出せない。テクストの快楽が間接的な生産を想定している…

一言一話 75

テクストの快楽 作者:ロラン・バルト みすず書房 Amazon 批評の読み方 <報告された>快楽から、どのようにして快楽を汲み取るのか(夢の話、パーティの話の退屈さ)。どのようにして批評を読むのか。唯一の手段はこうだ。私は、今、第二段階の読者なのだから…

一言一話 74

新=批評的エッセー―構造からテクストへ 作者:ロラン・バルト,花輪光 みすず書房 Amazon 何でもないこと <何でもないこと>は<何でもないこと>としか言いようがない。<何でもないこと>はおそらく、どんな言いかえ、どんな隠喩、どんな同義語、どんな代用…

一言一話 73

新=批評的エッセー―構造からテクストへ 作者:ロラン・バルト,花輪光 みすず書房 Amazon 固有名詞 「固有名詞」は語り手が無意識的記憶に認める三つの特性をもつ。つまり、本質化の能力(というのは、唯一の指向対象だけを指示するからである)、引用の能力(…

一言一話 72

新=批評的エッセー―構造からテクストへ 作者:ロラン・バルト,花輪光 みすず書房 Amazon 老年 記憶によって整序され構造化されうるようになると(これは非常に若いうちにも起こりうる)、実存はただちに運命となり、しかもまさにそのことによって終りを告げる…

一言一話 70

新=批評的エッセー―構造からテクストへ 作者:ロラン・バルト,花輪光 みすず書房 Amazon 絵における運動 ヌーメン 運動が運動そのものを意味するためには、動きの極点において不動化されなければならない。この前代未聞の維持しがたい休止こそ、ボードレール…

一言一話 69

新=批評的エッセー―構造からテクストへ 作者:ロラン・バルト,花輪光 みすず書房 Amazon ラ・ロシュフーコーと怠惰 能動的な情念は最終的にまだしも評価出来る。というのも、それは一つの形をもっているからである。だが、怠惰(または弱さ)は悪徳以上に美徳…

一言一話 68

新=批評的エッセー―構造からテクストへ 作者:ロラン・バルト,花輪光 みすず書房 Amazon 対照法とポワント様式 対照法はただ単に強調の文彩ではない。つまり要するに思考の単なる装飾ではない。対照法はおそらく別のものであり、それ以上のものである。辞項の…

一言一話 67

新=批評的エッセー―構造からテクストへ 作者:ロラン・バルト,花輪光 みすず書房 Amazon ポワント様式 ポワント様式とは何か?それは、もしこう言ってよければ見せ物として構成された格言である。あらゆる見せ物と同じように、格言もある快楽を目ざすのである…

一言一話 66

新=批評的エッセー―構造からテクストへ 作者:ロラン・バルト,花輪光 みすず書房 Amazon 格言 格言はディスクールから切り取られた命題であるというだけではない。この命題そのものの内部においても、また、もっと微妙な不連続性が支配している。正常な文、<…

一言一話 64

いかにしてともに生きるか―コレージュ・ド・フランス講義 1976‐1977年度 (ロラン・バルト講義集成) 作者:ロラン バルト 筑摩書房 Amazon 非現実と脱現実 非現実化すること:私はファンタスムの名のもとに現実を拒絶する。周囲の一切は現実的なものとの関係で…

一言一話 63

いかにしてともに生きるか―コレージュ・ド・フランス講義 1976‐1977年度 (ロラン・バルト講義集成) 作者:ロラン バルト 筑摩書房 Amazon ベッドと仕事 自分のベッドとよい関係を保っている主体――豊かな、多機能的関係――≠何に関係も結んでいない主体:どうで…

一言一話 59

記号の国―1970 (ロラン・バルト著作集 7) 作者:ロラン・バルト みすず書房 Amazon 箱 箱は、包装や遮断幕や仮面の役目をもち、なかに何かを隠し護りつつ指示している、ということで価値をもっている。すなわち、箱は代わりのものをあたえるのである――この表…

一言一話 58

テクスト理論の愉しみ―1965‐1970 (ロラン・バルト著作集 6) 作者:ロラン バルト みすず書房 Amazon 意味の問題の三つのレベル これらの意味の問題を、すでに三つのレベルに位置づけることが可能であると思われる。まずは心理学的レベルである。この点に関し…

一言一話 57

テクスト理論の愉しみ―1965‐1970 (ロラン・バルト著作集 6) 作者:ロラン バルト みすず書房 Amazon 象徴不能症 象徴不能症とは、わたしが意味の完全な免除と呼ぶものに到達するために、ある文明や社会において行われる非常に局限された努力のことである。そ…

一言一話 53

批評をめぐる試み―1964 (ロラン・バルト著作集 5) 作者:ロラン バルト みすず書房 Amazon 構造主義的活動 シミュラークル およそ構造主義的活動といわれるもののねらいは、それが反省的思考のものであれ詩的なものであれ、ある<<オブジェ>>を再構成する…

一言一話 48

現代社会の神話―1957 (ロラン・バルト著作集 3) 作者:ロラン バルト みすず書房 Amazon 神話の三つの読み取り方 1.空虚なシニフィアンに焦点を合わせるとわたしは、概念が神話の形式を両義性なしに満たすままにさせることになる。わたしの眼前にあるのは、…

一話一言 44

文学のユートピア―1942-1954 (ロラン・バルト著作集 1) 作者:ロラン・バルト みすず書房 Amazon 対話 〈対話〉――世紀から世紀にわたって、同クラスの作家同士の間で交わされるあの二重唱ほど、フランス文学に固有で、かつ貴重なものはない。パスカルとモンテ…

一話一言 37

ニーチェについて―好運への意志 (無神学大全) 作者:ジョルジュ・バタイユ 現代思潮新社 Amazon 笑い 超越性の破壊 笑いながら超越性を破壊しなければならない。子供が、自分自身の彼方、この恐い彼方に打ち捨てられてから、突然、母親の内奥の優しさを見い出…

一言一話 36

ニーチェについて―好運への意志 (無神学大全) 作者:ジョルジュ・バタイユ 現代思潮新社 Amazon 嗚咽と交流 嗚咽は、打ち破られた交流を意味している。交流──内的交流の優しさ──が、死、別離、あるいは不和によって破られたときに、私は、自分の中に、この引…

一話一言 35

ニーチェについて―好運への意志 (無神学大全) 作者:ジョルジュ・バタイユ 現代思潮新社 Amazon 交流 賭けに投じられた二つの存在 私の存在の彼方は、まずはじめ虚無である。つまりこの場合の彼方とは、私が、引き裂かれてゆく中で、空虚の耐えがたい感情の中…

一話一言 34

有罪者: 無神学大全 (河出文庫) 作者:ジョルジュ・バタイユ 河出書房新社 Amazon 笑い--維持されぬもの もし私の生が笑いの中に身を滅ぼすとすれば、私の自信は無知の自信となり、結局は自信の全面的欠如となるだろう。狂乱の笑いは推論の手のとどく圏内か…

一話一言 32

有罪者: 無神学大全 (河出文庫) 作者:ジョルジュ・バタイユ 河出書房新社 Amazon 真理のありか 真理は会話とともに、共有される笑いとともに、友情とともに、エロチスムとともに始まり、ひとりの人間から他の人間へと移行しつつ、はじめて生起するものなのだ…

一話一言 31

有罪者: 無神学大全 (河出文庫) 作者:ジョルジュ・バタイユ 河出書房新社 Amazon 未完了の宇宙 サン・ラサール駅に列車が入ってくる。私は列車の中にすわって、窓ガラスに顔を向けている。こんなことは、無辺際の宇宙の中の、取るにたらぬことでしかないと考…

一話一言 30

有罪者: 無神学大全 (河出文庫) 作者:ジョルジュ・バタイユ 河出書房新社 Amazon 着衣を剥がされること 着衣につつまれたひとりの女のからだに————人間の次元では————具体化される完了態の幻影、部分的にさえ、着衣を剥がれれば、たちまち女の動物性はあらわ…