一言一話 153
魂=性器の専制
魂はマネキン、分身、影、あるいは反映である。魂は「自我の複製」、「自我のナルシシスティックな分身」である。本来の自我は身体−自我であり、身体を通して拡散する(多形性)。そして「ペニスの人格化は第二の自我の根である」。性器領域の優先はその時人格の統一の基礎である。ペニスは全体的人格の「ナルシシスティックな表象−代行物」あるいは「分身」である。ファルスは「全体的自我のミニチュアール」である。魂をもつことは性器的な組織をもつことである−−「魂の観念は男性のメンバーを純粋、単一な昇華以外のものではない。性器、魂、国家の専制は単一の専制である。「性的器官に集中することで達成されるリビドー衝動での統一はまた、人格と社会の統一の達成の基礎として奉仕する」(ローハイム)
性器専制的な身体が形作られることによって魂が形成されるというわけだが、多形的な身体があるように、多形的な魂があってもいい。いわゆる自我=魂的な統一物が仮想敵になっているわけだが、いまではさほどの衝撃力はない。