2021-02-18から1日間の記事一覧

明治余韻 与謝野晶子

明治に入ってからの近代的短歌については、私はまったく知るところがないが、与謝野鉄幹の第一の詩文集である『東西南北』(明治29年)には短歌の師匠である落合直文から、森鷗外、齋藤緑雨、正岡子規まで総勢十人の序文を取りそろえていて、ずいぶん臆面…

ブラッドリー『仮象と実在』 37

(事物の同一性についての日常的な混乱。) この問題は、単に巧妙に考案された抽象ではなく、実際的な場面においても姿を見せる。ある対象が本当に同じものかと問われたとき、答えるのが不可能なときがしばしばある。人工的につくられたものが、部分的に作り…