明治余韻

明治余韻ーー福沢諭吉と丸山真男

「文明論之概略」を読む 上 (岩波新書) 作者:丸山 真男 発売日: 2020/11/26 メディア: Kindle版 丸山真男という思想家は、私にとって長い間ブラインド・スポットのなかに入っていた人であって、元来そのときどきに好きになった著作家から、芋づる式に読書範…

明治余韻 三富朽葉

三富朽葉は明治22年長崎県の壱岐で生まれ、八歳のときに家族ともども東京に移り住んだ。そのとき、相続人のいなかった伯父の三富家の養子となった。早稲田大学の英文科に入り、在学時代から詩社を結び、活発に詩作、日本にフランス流の象徴詩をもたらそう…

明治余韻 与謝野晶子

明治に入ってからの近代的短歌については、私はまったく知るところがないが、与謝野鉄幹の第一の詩文集である『東西南北』(明治29年)には短歌の師匠である落合直文から、森鷗外、齋藤緑雨、正岡子規まで総勢十人の序文を取りそろえていて、ずいぶん臆面…