2021-09-20から1日間の記事一覧

一言一話 56

テクスト理論の愉しみ―1965‐1970 (ロラン・バルト著作集 6) 作者:ロラン バルト みすず書房 Amazon ブレヒト演劇と金 矛盾するようだが、ブレヒトの演劇は金のかかる演劇である。舞台演出に信じられないような手間がかかるし、稽古の数も多く、俳優の芸に必…

ケネス・バーク『動機の修辞学』 30

.. マルクスの「神秘化」 中世初期の修辞学理論を論じた箇所で(『スペキュラム』1942年1月)、リチャード・マッケオンは書いている。「カッシオドルスによれば、『修辞の技芸とは、世俗的な言葉の精通者が教えるものであり、市民社会の問題をうまく語る学で…

ブラッドリー『仮象と実在』 151

[自然が偶然的であるのはいかなる意味においてか。] 自然についての他の問題は後に取り組むことになるので、ここでこの章を閉じることにしよう。我々は自然自体は実在をもたないことを見いだした。それは絶対の内部での現象という形でしか存在しない。感情…