2022-05-08から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈26

しら/\と砕けし人の骨か何 杜國 しら/\は白々である。骨か何かがあると疑って、前句の冬枯れ分けてひとり唐苣の立ったあたりに、何かわからぬが白いものが砕け散っているのを遠くから眺めただけで、別に深い意味があるわけではない。砕けた貝殻、細かな…

トマス・ド・クインシー『スタイル』37

ある種の公表はアテネに存在していたに違いない、それは明らかである。文学が存在するという単なる<事実>がそのことを証明している。というのも、公的な共感がなければどうして文学が生じよう。あるいは、定期的な公表がなければどうして公的な共感があり…

ブラッドリー『論理学』62

§13.論理的否定は、論理的肯定ほど直接に事実に関係することはできない。そうした厳密な性格をもつゆえに、それを「主観的」と言うことができる。それは私の思考の外では効力がない。実在は呈示される変更などは受けつけない。この呈示は事実の運動ではな…