2022-05-31から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈49

明日は敵に首おくりせむ 重五 これもまた前句を意想外のところに転じて、術つき力もきわまって、明日は敵に自分の首を授けることになろうと決心した勇士が、この命を捨てて戦死するには心にかかる雲もないが、ただ自分の瘤の異様に大なのを見て、情なき敵の…

トマス・ド・クインシー『自叙伝』19

神は子供たちに夢のなかで、また闇に潜む神託によって話しかける。だが、とりわけ孤独において真理は瞑想的な心に語りかけられ、その礼拝において神は子供たちに「乱されることのない霊的交わり」を与える。孤独とは光のように静謐なものであり、光のように…

ブラッドリー『論理学』85

§25.こうした幾分基礎的な間違いから眼を転じ、排中律によってもたらされる実際の知識について考えてみると、とても吹聴するほどのことがあるとは思われない。たとえ事物それ自体のような主語について主張をなすようなときでさえ、我々は常に誤りに対して…