2021-12-21から1日間の記事一覧

よろずの紙反故 29

秋の日の薄のなかで弱まる蚊 はんちくが鹿と蝶とを取り違え 櫂の音が骨絶つ根となる島世界 八階を降りたる君の赤い靴 十戒を金時で図する白椿

一言一話 133

食いしん坊〈2〉 (朝日文庫) 作者:小島 政二郎 朝日新聞社 Amazon 古い文化出版局の本で私は読んでいるので、下の文章がこの本にでているかどうかはわかりません。ちなみに文化出版局本で言うと、「続1」にあたります。 万太郎の勘 しかし、久保田さんの勘…

ケネス・バーク=マルカム・カウリー書簡 1

【ご足労なことに、ケネス・バークとマルカム・カウリーの書簡を訳したものも少しだけあった。マルカウ・カウリーはヘミングウェイやフィッツジェラルドたちを「失われた世代」と命名した文芸評論家である。】 序 ケネス・バークとマルコム・カウリーは19…

ブラッドリー『仮象と実在』 229

[死の後の生] この章をこれまでと近しいある問題について少々述べることで終わることにしよう。通常、魂の不死性といわれているもののことである。いくつかの理由からこの話題について私は沈黙を守っていたが、ここでの沈黙は誤解を招くことになるかもしれ…