2022-04-09から1日間の記事一覧

幸田露伴芭蕉七部集『冬の日』評釈の評釈1

木枯の巻 (貞享元年の八月、『野ざらし紀行』として残っている旅に出た芭蕉が、陰暦一〇月も終わりの頃名古屋に入り、以後一一月の初めにかけてなったのが『冬の日』の五歌仙だとされている。名古屋で待ち構えていたのは、必ずしも芭蕉の句に傾倒していた俳…

トマス・ド・クインシー『スタイル』12

それ故、法の適用といったことの正確な説明にでさえその歴史に赴かねばならず、我々自身の社会的必要性からの単なる類推では充分でないとすれば、芸術や知的愉しみのあり方を説明するにはそれ以上のものが必要とされるだろう。なぜ古代には風景画はないのか…

ブラッドリー『論理学』37

§44.我々は普遍的判断の共通の型に達した。我々がすぐに気づく点は、そうした判断はすべて形容詞に関わるということである。それは内容の諸要素間のつながりを主張し、出来事の系列のなかでそれらの要素が占める位置についてはなにも言わない。「正三角形…