一言一話 110

 

 

黒いユーモアとその敵

黒いユーモアは、馬鹿馬鹿しさとか、懐疑的なアイロニーとか、重苦しさのない洒落っ気とか・・・・・・とか・・・・・・とか(それらを数えあげて行ったら長々と続くだろう)のような沢山のものによってとり囲まれている。だが、それは、なかんずく、絶えず窮地にあるかのような様子をくり返してみせる感傷性──常に青ざめた地色の上にある感傷性──とか、あまりにしばしば詩そのものになりすまし、精神をその無効化した詭計に服従させようと固執しながらその目的を果たせない、その場限りのある種の空想とかの、宿敵であって、他の罌粟の種子たちの間から、その王冠に飾られた鶴の頭を太陽に向かって持ちあげるのに、多分そう長い時間はかからないであろう。

ユーモアといいながら、ブルトンは生真面目である。