一言一話 16

 

 

サド 性的な無秩序

性的な無秩序とは、限界づけられているかぎり自分にも他人にも統一あるものとして確立されているわたしたちの相貌を、解体するものにほかならない(その無秩序は、すでにわたしたちの相貌を、死にほかならぬ無限のなかへとずれ落ちさせているのである)。

 性的な無秩序というのは、現在ではそれほどの衝迫力をもっていないとも思えるが、現実的に考えると決してそんなことはない。例えば、愛の形はすっかり変化してしまうだろう。