一話一言 37

 

 

笑い 超越性の破壊

 笑いながら超越性を破壊しなければならない。子供が、自分自身の彼方、この恐い彼方に打ち捨てられてから、突然、母親の内奥の優しさを見い出したときと同様に──そのとき子供は母親に笑って反応する──、私は、人が恐怖で震えていた所に、気ままな無邪気さに助けられ遊びを発見したときには、明るく晴れ晴れと笑うのだ。私は、恐怖で震えていたならばそれだけいっそうよく笑う。

 

笑いの緊張と緩和モデルで一番不満なのは、、笑わせる宰領者はいても、共感する他者が抜け落ちていることにある。