一話一言 35
交流 賭けに投じられた二つの存在
私の存在の彼方は、まずはじめ虚無である。つまりこの場合の彼方とは、私が、引き裂かれてゆく中で、空虚の耐えがたい感情の中で、予感する私の不在のことである。この空虚の感情を通して他者の存在が現われる。ただしこの他者の存在は、<他者>もまた彼自身、自分の虚無の際に身を乗り出すのでなければ、あるいはそこで倒れる(死にゆく)のでなければ、完全には現れてこない。<<交流>>は、<賭けに投じられた二つの存在>──引き裂かれ、宙づりになった二つの存在、双方とも自分の虚無の上に身を乗りだした二つの存在──<の間で>のみ生じるのである。
当然ながら、書き出している人間が同じだから、似たような文章が多くなる。