一言一話 145

 

アステアが語ったこと

 

 「芸術って、なんのことだ?」と彼は言った。「芸術ってのは、わたしの足だ。それは、ただただ、きびしい労働だ。訓練だ。わたしは毎日の訓練のきびしさのなかで背中を痛めたが、それでも必要なことはすべてやった。だから、もし芸術なんてものがあるとしたら、それは労働だと言うしかない。それが芸術らしくみえたとしたら、それは大いに結構だが、ほんとうにそれは純粋な労働でしかない」とフレディは一気に語った。

颯爽と芸術とはなにかね、と言い放つのはかっこいいが、訓練だけで達成できると思わせるのも困ったものです。