一話一言 32
真理のありか
真理は会話とともに、共有される笑いとともに、友情とともに、エロチスムとともに始まり、ひとりの人間から他の人間へと移行しつつ、はじめて生起するものなのだ。おのれの孤立にしがみつく人間というイメージは、私の嫌悪をそそる。自分が世界を反映しているのだと称する孤独者を、私は笑ってやる。彼に世界を映し出すことなどできやしない。なぜなら、彼自身がその反映の中心点である以上は、中心点を持たぬものと対応することを彼はやめるからである。私の考えでは、世界は孤立し閉じこもったどんな存在にも似てはいない。私たちが笑う時、私たちが愛しあう時、ひとりの人間から他の人間へと移行するものにこそ、世界は似ているだろう。そういう世界を想定すると、無辺際のものが私に向かって開かれ、私はその中に身を滅ぼす。
絶対的に共感する、私自身は極端な人見知りなのだけど。