2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

バスの映画

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トマス・ド・クインシー『スタイル』5

話し言葉の純粋な活き活きとした言葉づかいや日常的な英語は、あまり本に影響を受けていない教養ある女性に求められるべきだと我々は主張した。どんな言語においても、書物が話し言葉のスタイルとは異なる言葉づかいに向おうとするのは確かである。そこで、…

ブラッドリー『論理学』30

§30.個的なものとしてしか存在できないと我々が感じる実在の完全性を見いだそうという努力は、まず最初に、時間と空間の総合的判断に我々を導くだろう。しかし、先に進む前に、この試みの一般的な性質について考えてみよう。もし実在が自律的で、自己充足…

階段の映画

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トマス・ド・クインシー『スタイル』4

名前をつけるときのように、言葉の使用において殆んどの階級は両極端の圧力の間にある。一方には、粗雑、不注意、不完全さがあり、他方には見せかけの洗練と途方もない野心がある。作家は、どんな言葉を使うにしても、常に危険な立場にある。名声欲から、あ…

ブラッドリー『論理学』29

§28.我々は知覚にあらわれる実在を指し示すことによって観念や単なる普遍から逃れる。かくして、我々の主張が唯一無比に達しない限りそれは事実とは対応しない。かくして、分析判断は我々にとって確実なものとなったように思える。しかし、§19で尋ねた…

雨と泥の映画

タル・ベーラ『サタンタンゴ』 サタンタンゴ [Blu-ray] ヴィーグ・ミハーイ Amazon 黒澤明『七人の侍』 七人の侍 [Blu-ray] 三船敏郎 Amazon 川島雄三『州崎パラダイス』 やや自信がない。確かめられなくないが、記憶の遊びなので調べない。 日活100周年邦画…

トマス・ド・クインシー『スタイル』3

英国人が、他の点では楽しみ、評価するスタイルの長所を無効にする二つの力を示してみよう。アテネとローマの市民をレトリックの力と言葉の魔術にかくも敏感にさせたのはなんだったのか。それはレトリックと言葉の魔術が毎日使われ、市民自身に関心のあるこ…

ブラッドリー『論理学』28

§26.繰り返すと、実在の現前は唯一無比なものである。識別によって我々はその唯一無比を観念の形に固着することができる。我々はその観念を別のものについての観念にもしようとしている。しかし、別のものについて真である観念では、そのなにか別のものが…

歩く映画

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トマス・ド・クインシー『スタイル』2

この一般的な傾向は多くの仕方で働いている。しかし我々の直接の目的であるスタイルに関わるものである。こうした公準を実際に実行できる国とて他にはないが、より決定的な国民の心性は本の<実質>を最高の<性質>とするだけでなく、それらは異なったもの…

ブラッドリー『論理学』27

§24.ここで我々は厄介な問題に行き当たる。読者は我々のこれ性についての考え方を受け入れることに同意してくれただろう。我々の用語では空間や時間における相対性、別の言葉で言えば個別性しか意味することができず、内容を越えでることがないことには同…

トマス・ド・クインシー『スタイル』1

【ド・クインシーはご存じ難しい英語で、正確さは保証しません。翻案程度にお考えください。】 第一部 英国に生まれた恩恵についてのつきることのない議論——数多くあるというより重々しくされる議論で、その数よりも重みについて語られるpondere quam numero…

ブラッドリー『論理学』26

§21.時間的空間的排他性がその内容を唯一無比なものとするという意味で、空間と時間が「個別化の原理」だとするような誤った考えは(もしもっているなら)捨て去らねばならない。「出来事」について語ることで、実在や堅固な個物に降り立ち、雲をつかむよ…

レイモンド・ウィリアムズ『マルクス主義と文学』18

4.イデオロギー 「イデオロギー」という概念はマルクス主義に由来するものではなく、それだけに限定されるものでもない。だが、ほとんどすべてのマルクス主義者の文化についての考え方、特に文学と観念に関する考え方において重要な概念であるのは明らかで…

ブラッドリー『論理学』25

§19.II.単称判断の第二のクラスにおいて(§7)、我々は、一般的に、我々が知覚しているわけではない空間や時間にあらわれるものについて言明し、そのあらわれについて、内容の分析によって得られるのとは異なったもので述べる。もし私が「この壁の向…

レイモンド・ウィリアムズ『マルクス主義と文学』17

3.文学 「文学」を概念としてみることは比較的困難である。通常の用法では、特殊な記述以上のものではなく、そこに記述されているのは、概して、概念として働きながらそれでもなお現実的かつ実際的であると固く信じられている特殊な作品及びそれに類した作…

ブラッドリー『論理学』24

§17.固有名の主語に関する奇妙な錯覚が広く行き渡っている。固有名詞には<含意>がない、あるいは、より一般的な専門用語を使えば、<内包>がないといわれている。通常の言語においては、それはなにかを<あらわす>が、何ものも<意味>しないとされて…

レイモンド・ウィリアムズ『マルクス主義と文学』16

フォルマリストの体系は、当今の構造主義的マルクス主義の一派のように、この点を「既に与えられたもの」、「経済構造によって最後の瞬間に決定されたもの」としてのみ触れることができる。この種の還元を避けるためには、「記号」と「信号」とのボロシノフ…

ブラッドリー『論理学』23

§15.判断は観念の総合ではなく、観念内容で実在を指し示すことである。この基礎づけから、我々は既に扱った多様な判断を解釈するよう努めねばならない。§7の単称判断、そのうちの感覚の分析判断と呼んだものを取り上げよう。 I.その本質は、いまだけに…